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2005年 06月 21日
「ハーレーに乗る!」という目標が定まったはいいが、「女子向けオートバイ企画」は遅々として進まず、ひたすら資料やら情報収集やらをしている状態が続き、さらに発売間近の本の追い込みで、私は頭が爆発状態になっていた。
3月のある日、自暴自棄に陥っていた私は夕方までに印刷屋に戻さなければいけない校正紙を放り投げ、外へ出た。現実逃避……。 編集部は、電脳の街・秋葉原にある。私好みの美しい街路樹や公園や美術館があるわけでもなく、首都高速と昭和通りの排気ガスにまみれた街。いまだに好きになれない街。灰色の空を仰ぎながら「参ったな〜」と呟く。ぼんやりと横断歩道の赤信号を見つめていた。ふと耳に入ってきたのはオートバイのエンジン。あの不規則な鼓動はハーレー? 「音」の主を無意識に探している私の目に入ってきたのは、どう見てもハーレーには見えない。あれって、ハーレーなの? しかし「音」は確かにそのオートバイから聞こえてくる。不思議な形のタンク、不思議な色、何だかレーサーのオートバイみたい……。信号が青になった。オートバイは大通りから左折してゆっくりと走っていく。私は後を追った。角を曲がって見えなくなってしまっても「音」を頼りに小走りに追いかけた。ぐるりとまわって大通りに出たところで、その「音」は消えた。あれ、どこ? と見回すと「音」の主は店先の歩道に止まっていた…。 そこはハーレー屋さんだったのだ。3年は秋葉原に通っているのに、こんなところにハーレーのディーラーがあったなんて……。 決まった! 私はこの店でハーレーを買う! ついさっきまでの悶々とした気分はどこへやら。私は颯爽と編集部に戻り、超特急で校正紙に赤字を入れ始めたのだった。
by yfujikawa3
| 2005-06-21 22:42
| ハーレーダビッドソン
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